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2008年2月22日 (金)

「リンチ1 LYNCH (one)」を観た

というわけで、「リンチ1 LYNCH (one))」をば観終わったです。

うーん、もちっと「インランド・エンパイア」の撮影風景の映像があるかと思ってたんですけどね。ちょっと違ったな。どちらかというと作品のメイキングというよりは、映像作家としてのデイヴィッド・リンチに迫る……というような内容でございました。

とはいえ、個人的にいちばん印象に残ったのは、「インランド・エンパイア」製作の合間にリンチがみせる、苦悩し悶絶する姿だったりするのな。自身は「楽しくなきゃダメ。苦しんだら作品にその苦しみが出てしまう」とか言ってるんですけどね。言うは易く、ってことなんでしょか(笑)。決められた時間に姿を見せなかったスタッフと電話でやりとりしたあと、ドキュメンタリーの撮影スタッフが心配になって声をかけるほど長い間、がっくりとうなだれたままでいるリンチの姿は、非常に生々しくて「衝撃的」といってもいいぐらいでありました。どれぐらい重要な作業が予定されていたのかはわからないけど、来なかったスタッフとの電話でのやりとりを聞いてると、本当にリンチが途方に暮れていることがヒシヒシとわかる。本当にうまくまとまるのかどうか不安にかられ、「どんな作品になるのやら」とか「お手上げだ」とか弱音をはくところなんか、五里霧中な感じがリアルに伝わってきてヴィヴィッドにアウフヘーベンな感じ(いや、よくわからんが)。こんな寄る辺ない子供のようなリンチの姿はちょっと今まで目にした記憶がなく、そういう意味では貴重な映像なのかも。「インランド・エンパイア」の特殊な製作過程が、リンチ自身にもかなりのプレッシャーになっていたことが随所に表れていると思いましたよ。何度も何度も、繰り返し「実験」と発言してますしな、リンチ。

また、「ポーランド・サイド」の「夜のストリート」の撮影シーンで、「ロスト・ガール」役のカロリーナ・グルシュカと「ファントム」役のクシシュトフ・マイフシャクに演技をつけている映像収録されているのだけど、二人に対するリンチの演技指導のアレコレは、ある意味で「インランド・エンパイア」に関する理解の手助けになるものじゃないでしょか。(あくまで)「ポーランド・サイド」において「ファントム」は「実在するもの(solid)」であり、その一方で「ロスト・ガール」にとっては「ポーランド・サイド」で起きる事象はすべて「夢の中の出来事のよう」であるっつーことですね。「セリフにはすべて意味があり、単なる会話ではない」と明言してらっさいますね。言い切っちゃいましたね、御大てば。もひとつ、おそらくローラ・ダーンが「ロコモーション・ガール」に誘われて「ポーランド・サイド」の「ストリート」に立つシーンでは、キー・ワードのひとつともいえる「ここはどこ?(Where am I?)」という言葉がリンチとダーンの間で交わされておりました。あのシーンでは実際には「台詞」としてこの言葉は表れてないのだけど、ローラ・ダーンの演技そのものがそれを「語っている」わけですね。なるほどね。

「インランド・エンパイア」の撮影現場で、リンチから「ジェイ」と呼ばれているスタッフは、おそらくアソシェイト・プロデューサーのJey Aasengさんでありましょーか。「アルフレッド」と呼ばれているのはコストラクション・コーディネーターのAlfredo Ponceさんでございますね。「ピーター」っていうのはPeter Demingさんですか? もう一人、「Tidbit」と呼ばれていた女性の方がよくわかりません。記録係かなんかの方なんでしょか。床に波模様のシールを貼る作業にリンチ御大自ら出張ってましたが、キャスト表をみてみるとキッチリ「大道具係」のところに御大の名前があるのには笑わせていただきました……笑いつつよくみると、御大だけじゃなくて先程のジェイさんとか、オースチン・リンチ(長男)とかライリー・リンチ(次男)の名前まで「大道具係」のリストにあるでないの。家内制手工業ですがな(笑)。そういや、お姉ちゃんのジェニファーはどーした(笑)。「Surveillance」の撮影で忙しかったのかや?

あと、興味深かったのは「カーニバル」や「サーカス」についての言及でしょーか。日本語字幕ではかなり端折られてたけど、「カーニバル」や「サーカス」が備える「魔法と謎(magic and mystery)」についての発言があったりして、おそらくこの「魔法」は「映画の魔法」と重なるものなんではないかと愚考したり。大山崎としては、どうしてもフェリーニからの影響を思ってしまったりなんかするんですが、どんなもんでしょね。リンチが「ベスト」といっていた「ジンガロ(Zingaro)」は、正確にいうと「サーカス」というよりは馬を使った芸を見せる、文字通りの「騎馬劇団」っつーか「騎馬オペラ」っつーか「曲馬団」なのね。なるほど、そんで「ピオトルケと馬」なのだなあ。「ジンガロ」は過去に日本講演もあったみたいで、日本語の公式ページもまだ残っておりました。紹介映像もあるみたいなんで、興味がある人はぜひ、どーぞ。それと、「インランド・エンパイア」の「サーカス・シーン」の映像として使われているのは、CYRK ZALEWEKIさんとこの「サーカス団」であるようなのだけど、なんとこのサーカス団の映像がYouTubeにありやがりましたよ、ブレブレの揺れ揺れでちょっとみにくいけど。他にも何本かあるみたいで、白い馬が出てくる映像もそれっぽいんだけど、「インランド・エンパイア」に出てたのと「同一馬」なんですかねえ(笑)。

つな感じでございましょーか。なんか思いついたら、また。

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