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2007年12月19日 (水)

「ロスト・ハイウェイ」北米版DVDの続報ね

「ロスト・ハイウェイ」北米版リマスターDVDの続報(アーンド、字幕のお話)。

米アマゾンですでに予約受付が開始されておりマス。定価$19.98で、今ンとこの予約価格は30%引きの$13.99。「どうなんだよ!」の発売日は3月25日が正しいみたい。

あと気になってるのはPALマスターの早回しじゃねーだろーなってことぐらいなのだが、これまた現在のところのランタイムは135分になっているので問題ないハズ。まあ、この時期の米アマゾンの情報は割といーかげんだったりするので(笑)、これに関しては追加情報を待ったほうがいいかもしれんス。

さて、このリマスター版「ロスト・ハイウェイ」の国内DVDが出るのかどうか。結局、リマスター版の「砂の惑星」が国内ではDVD未発売なままな現状からして、これまた予断を許さない感じではある。世の経済原理というものから推し量るに、ひょっとしたら「ツイン・ピークス」やら「インランド・エンパイア」やらのDVDの売れ行き次第なのかもしれんなあ。ところで、結局、「リンチ・イヤー」って盛り上がったンすかね? よくわかりません。

……てな状況のところにマコトに厚かましいお願いかとは思いますが、「ロスト・ハイウェイ」の国内版DVDが出るのなら、できれば字幕翻訳を一部見直してもらえないかなーとか思う次第なんでありますけども、いかがなもんでございますでしょーか。

もちろん、ナニガシか翻訳作業にも関わった経験がある人間として、異なった言語同士を一対一で置換できない以上、翻訳というものがすべからく翻訳者の「解釈」に基づいた「意訳」にならざるを得ないのは、重々承知。かつ、これまた当然ながら、原意に含まれているものを取りこぼさざるを得ない局面がままあるのも、残念ながら仕方がない。でも、同時に、リンチ作品のような抽象的な映画の翻訳字幕に関しては、もちっと気をつかってもいいんじゃないかと感じることがあるのも、また確か。

具体例でいうと、「ロスト・ハイウェイ」におけるミスター・エディの「You and me, mister... We can really outugly them sumbitces...Can't we?」という台詞。現行の国内DVDでの字幕は「お前と俺なら--もっとすごいポルノを撮れたな。そうだろ?」(2:05:34)となっているんだけど、ちょっとこの訳文は飛躍しすぎているような気がする。そもそも原文には影も形もない「ポルノ」などという語句をもってくることにまず疑義がある。と同時に、おそらく直前の映像に引っ張られたとおぼしき翻訳者のこの「解釈」の正当性自体が、どうにもアヤシイのではないかと。百歩譲ってこれをひとつの「解釈」に基づいた「意訳」として認めるとしても、ここまで「ロスト・ハイウェイ」という作品に対する解釈の幅を狭めてしまっていいのかどうか、正直いって疑問だったりするのだな。

思うに、もともと漠然とした「台詞」であるのだから、もっと漠然とした「訳文」が当てはめられるのが妥当なんじゃなかろーか。この部分、「ロスト・ハイウェイ」のシナリオ本の翻訳では「お前も俺も。なあ。俺たちはほんとにろくでもねえ野郎なんだよな?」(P.238)という具合になっていて、「漠然とした具合」からすれば、こちらのほうがずっと優れているんではないでしょーかしらん。

ちょいと真剣モードでいうなら、「ロード・オブ・ザ・リング」の字幕の例を引くまでもなく、こうした誤訳・悪訳の最大の被害者は翻訳に頼らざるを得ない「一般的な受容者」であるのは間違いない。もちろん、字幕翻訳の場合、字数や作業時間を含めたさまざまな事情があるのは理解できるにしても、それはあくまで「翻訳者側」あるいは「売り手側」の論理でしかないことを「翻訳者側」あるいは「売り手側」の人間はキチンと認識しておかないとマズイと思う。ましてや、(ままあることとはいえ)翻訳者の不見識や調査不足がゆえの誤訳など、本来起きてはならないことであるハズ。最近は字幕翻訳に監修者をつけるケースも増えているようで、こうした問題点を「売り手側」も認識していることがうかがえる。この傾向は双方にとってオヨロしいことなんではないでしょうか……と思う反面、たとえばリンチ作品の字幕の問題点って、そーゆー方法論では解決できんであろうことが悩ましい(笑)。

いずれにせよ、理由はともあれ、「翻訳」によって受容者の解釈が歪められたり幅が狭められたりする事態が起きているのならば、それは作品にとってヒジョーに不幸なことなんではないだろーか……ってなことを自戒をこめて呟く、今日この頃なのであった。

こそっと言っちゃうと、試写で観た限りでは「インランド・エンパイア」の字幕にも「ん?」と思う箇所があったりしたのよ。DVDで直ってたらいーな……と願う大山崎の思いは、はたしてお星様に届くのでせうか(笑)。

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コメント

こんにちは。

今日初めてこのブログを拝見させて頂きました。リンチ作品への一歩踏み込んだ鑑賞を行うにあたり、僭越ながらとても参考になるブログだと思い、ブックマークさせて頂きました。

ところで、ロストハイウェイの訳に関して、私も不満を感じておりました。this mortal coilの悲哀の籠った美しい歌詞をあんな平板なバラードにまで圧縮してしまう訳者のセンスもさることながら、デヴィッド・ボウイの歌うエンディングにはあきらからに単語を間違えて訳している箇所もあり、ひどいものだとつくづく感じていました。この最低な仕事が是正される日を待ちわびてやみません。

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