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2007年8月 3日 (金)

「インランド・エンパイア」その後×4

東京では今週末から新宿でも上映が始まるということで、これで劇場に行きやすくなったと喜んでいる大山崎でございます。レイト・ショーとかオールナイトとかもやっていただけるともっと行きやすくなるんですが、そりゃゼータクとゆーもんですね。池袋文芸座に続いて早稲田松竹でもリンチ作品の上映があるよーで、喜ばしい限り。

んで、もちっと「インランド・エンパイア」が取り扱っている「感情移入」と「映画の魔法=映画の魔」のことなんか補足してみる。どーせなら、ちびちび書かずにまとめて書けよ、自分(笑)。でも、こーやってぐだぐだ牛が反芻するがごとく妄想をめぐらせることができるのも、リンチ作品の醍醐味ということで……はっ! あの「牛を連れたプロモ」はそーゆー意味だったのかっ?(笑)

まず、「観客の登場人物に対する感情移入」のことなのだけど、これは言い換えれば「観客が登場人物と自分を混同する=同一性を持つこと」であるといえるのではないかと。いわゆる「映画を観て、自分が登場人物になったような気分になる」ってヤツすね。

「インランド・エンパイア」におけるロスト・ガールと「47」の主演女優との混同は、こうした「混同=同一性」の「映像的示唆」であると大山崎は考えておったり。とりあえず、いまんとこ、「ロスト・ガールは不特定な観客全般の象徴である」方向で受け止めてますということで。

こうした「同一俳優による同一性の映像的示唆」あるいは「異なった俳優による不同一性の映像的示唆」は、リンチ作品における「表現主義的手法」のひとつとして、「ロストハイウェイ」や「マルホランド・ドライブ」ですでに表れてるですね。前者がべティとダイアンの関係、後者はフレッドとピートの関係という形で。これは、もはやリンチの常套的表現といえるんではないかと思ったり。

次に「俳優の登場人物に対する感情移入」についてですが、「俳優が登場人物と自分を混同する=同一性を持つ」というのは、すなわち「演技」のことに他ならないと思うわけですよ。すんげえ単純だし、ある意味、古典的なテーマだけど。

この関係を補足するシーンがあるとしたら、「ニッキー=スーが、映画館のスクリーンに自分のリアルタイムな姿が映し出されるのを観る」シーンについてかなーと。このシーンは、「ロスト・ガールが『47』に現れるを自分の姿をTVモニター上で観ている」シーンと対応していると考えると、単純な「演技者が感じる主体と客体の転倒」という問題にとどまらないんじゃないかとゆー気がするです。たとえば、人間の持つ「何かを他のものになぞらえる能力とはナニか」とか、「創造と受容の関係性」とかみたいなとこを含めて。

でもって、「観客の俳優個人に対する感情移入」に関しては、日本のマスコミによる裕木奈江の取り上げ方を考えるとわかりやすいんではないかと。「日本でバッシングを受けてた女優が姿を消したと思ったら、ハリウッド映画に抜擢されて……」とゆーストーリーを一所懸命作り上げようとする作業が、まさに今現在、進行中でございマスね。いや、そのこと自体の是非をいいたいわけではなく、マスコミを含めた「映画の周辺」が、「私人としての俳優」に関する「ストーリー」や「伝説」や「神話」を作るべく機能している、そして観客はそうした俳優個人の「ストーリー」や「伝説」や「神話」にも感情移入する……ということの例証なんではないかとゆーことで触れてみました。

ま、とりあえずはこんなとこかしらん。またなんか思いついたら。

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