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2007年7月21日 (土)

「インランド・エンパイア」再鑑賞のためのメモ (1)

※完全なスポイラーなんで、「インランド・エンパイア」未見の人はパスをお勧めします

またもやというか、やっぱりというか、「インランド・エンパイア」の作中、「サンセット大通り」からの引用がある。正確にいうと、「サンセット大通り」の作中で上映されているサイレント映画の字幕からの引用で……

「心に潜む邪悪な夢を追い出してください(Cast out this wicked dream whitch has seized my heart)」

……というのがその台詞。「インランド・エンパイア」では、ロスト・ガールによってポーランド語で語られている。

で、映画内映画であるこのサイレント映画、実はノーマ・デズモンドを演じているグロリア・スワンソンが過去に自分でプロデュースし、実際に出演した「クィーン・ケリー Queen Kelly」(1929)である。監督は、これまた実は「サンセット大通り」で執事役を演じていたエリック・フォン・シュトロハイム。

このシュトロハイムという監督は完全主義な人で、9時間を越える作品を作っては映画会社にズタボロにカットされたりしていた。最終編集権(ファイナル・カット)の問題という点で、「砂の惑星」を髣髴させる話である。また、サイレント映画であるにも関わらず、実際に音が鳴るドアベルを作らせたりして製作予算を大幅に超過し、映画会社ともめたあげく完全に監督としては干されてしまったという経歴もある。ハリウッドでの制作費集めに苦労しているリンチにとっては、他人事とはいえない話なのではないだろうか。

そんなシュトロハイムを「クィーン・ケリー」の監督にすえることに危惧を抱いた人も多かったようだが、案の定、製作途中で彼とスワンソンが衝突し、頓挫した。その後スワンソンが別の監督を立てて追加撮影を試みるも、結局未完のままで終わっている。「インランド・エンパイア」における「中断されたポーランド映画」の意味を考えるとき、「47」と「クィーン・ケリー」を思わず重ね合わせてしまいたくなるのだけど、はたして?

もうひとつ「サンセット大通り」からの引用の可能性があるのは、「金髪のウィッグをつけたサルを飼っている友人」だ。主人公がノーマ・デズモンドの邸宅を初めて訪れたとき、葬儀屋と間違えられるシーンがある。葬儀は彼女が飼っていたサルのためのもので、その後、本物の葬儀屋が現われ死んだサルを埋葬するシーンが出てくるのだが、さて、このあたりもリンチの意識(あるいは無意識)にあったのかどうか。

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