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2007年6月26日 (火)

とってもノワールな「ジェニーの肖像」

「ジェニーの肖像」をば久しぶりに観た。

ロバート・ネイサン原作のこの作品は、石ノ森章太郎や萩尾望都をはじめとする多くのマンガ家によってオマージュされ云々……というのは、もー、どーでもいいですね(笑)。

この作品の製作年度は1948年で……ということは、実は、いわゆるクラッシック・フィルム・ノワールと呼ばれる作品群がハリウッドで作られていた時期の真っ只中に作られているわけだったりする。

フィルム・ノワール作品の画面的特徴として、たとえば「照明がロー・キー&ハイ・コントラスト」 であるとか、「光と影を使った演出」だとかが挙げられることが多い。だが、こうした特徴はこの時期のハリウッドのモノクロ映画に共通してみられるものであり、特にフィルム・ノワール系の作品に限った話ではないという指摘もある。

で、「ジェニーの肖像」にも、そうした指摘を見事に裏付けるシーンが点在するのだな。暗い部屋のシーンで登場人物の顔にだけ照明が当たったりとか、逆光気味に撮られた主人公が霧の波止場でボートを借りるシーンとか、だいたいが主人公がジェニーの絵を描いているシーンまで「逆光に霧」で、思いっきりノワールっぽい(笑)。こうした撮り方がこの時期のハリウッドで一般化していたことがうかがえるシーンである。

pofjennie_1

おまけに主演がジョセフ・コットンときたひにゃ、どこからオーソン・ウェルズが出てきても驚かんぞ(笑)。

orsonwells_4

なおかつ、こうした撮り方は一般的にフィルム・ノワールが終焉をむかえたとされる1958年以降のモノクロ作品にも引き継がれている。たとえば1964年のロバート・アルドリッチ作品「ふるえて眠れ」においても、「光と影」を使った象徴的なシーンが存在したりする。というわけで、こうした「ルック」の点からフィルム・ノワールを定義することは、やっぱ無理があるように思う。

そもそも、こういう照明を駆使した映像表現は「ドイツ表現主義映画」から発生した流れで、ナチス・ドイツを逃れて海を渡ったドイツ人スタッフによってハリウッドに持ち込まれた……というのが定説である。そうした個々のテクニックが流入して表現の幅を広げられたことも、確かにハリウッドにとって直接的な意味でプラスだっただろう。しかし、思うに、ハリウッドが受けた最大の恩恵は、むしろ、そうしたテクニックを考え出せる能力を手に入れられたことにある。

ウェルズの乱入とかで長くなったんで、別項に続くぞ!

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